新人類版「アリとキリギリス」とは?

こんにちは。
ライフプランクリニックの鈴木です。

皆さん、イソップ童話の【アリとキリギリス】のお話しはご存知ですよね?
夏の間、アリさんが一生懸命働いているのに、
キリギリスはヴァイオリンばかり弾いて仕事をしていない。
冬になってキリギリスは食べ物に困って、アリさんの家に訪ねていくと、
「君は夏の間、遊んでばかりいたバチがあたったんだ。自業自得だ。」
と言って追い返すというあの話しです。

我々もライフプランの診察の中で、
「コツコツ貯金をするか、何も準備せずに高い金利を払ってローンを組むか...
 アリさんとキリギリスさんのどちらを選択されますか?」
と、アリとキリギリスに例えてお話しをする事があります。

私たちは、そういう勤勉なアリさんになりなさいと教わってきました。

《アリとキリギリスには別のストーリーがあった!》
先日、お世話になっている建設会社の専務さんから、面白いお話しを教えて頂きました。
なんと、アリとキリギリスには別のストーリーがあると言うのです。
※みやざき中央新聞に掲載されていたお話しだそうです。

題して、【新人類版 アリとキリギリス】更には【新・新人類版 アリとキリギリス】まであるそうです。
さてさて、どんなストーリーなのか...

《新人類版 アリとキリギリス》

やがて、冬になって食べ物に困ったキリギリスは、アリさんの家を訪ねて行きました。
トントンとノックしたのに出て来ない。
「おかしいな」と思って家の中を覗いてみたら、アリさんが倒れていたのです。
そう、アリさんは夏の働きすぎで体を壊し、死んでしまっていたのです。
キリギリスはアリさんが残してくれた食料を食べて冬を過ごしましたとさ。めでたし、めでたし(笑)

もうお分かりですね。これは過労死のアリです。
私たち日本人の「働け、働け」という古い価値観を皮肉っている話しです。

私は、この話しすら初めて聞いたわけなんですが、この《新人類版》は、もう古いそうです。
更に《新・新人類版》が存在すると...。

《新・新人類版 アリとキリギリス》

冬になって食べ物に困ったキリギリスは、
夏の間にしっかり練習しておいたヴァイオリンのコンサートを開くことにしました。
そして、アリさんにチケットを買ってもらいました。

《新人類版》は皮肉っているだけという印象でしたが、この《新・新人類版》にはちょっと感動しました。

キリギリスは遊んでいたのではなく、大好きな音楽をずっと続けていたんですね。
練習している時は収入はありませんが、コンサートを開き成功する...。

アリさんはアリさんで、一生懸命働いたお金で、コンサートに行き、癒しのひと時を得るわけです。

つまり、【アリの生き方が正しくて、キリギリスは間違っている】という従来のものさしではなく、
皆それぞれ、好きなこと、得意なことをして支え合っていけばいいんだというお話しです。

人それぞれ、職業も違えば、収入も違う。家族構成や趣味も違います。まさに、十人十色。
我が家には我が家の事情がある!です。

我々家計のホームドクターは、皆さんがそれぞれのライフスタイルで安心して豊かに暮していく為、
「準備」と「予防」をテーマにライフプランニングを行っています。

その原点を思い出させてくれる、良いお話しでした。
賛否あるとは思いますが、今の若者たちの考え方...素晴らしいですね。

ライフプランクリニック 
ファイナンシャルプランナー

鈴木 正典